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開店から台打ちまで

思考回路その1 開店から台打ちまで

あなたは店に並ぶ、そうそれはまさに戦場へ赴く兵士のような気持ちです。
新台入替であれば、どの台を打つかを念入りに考えます。
もしも自分が最前列でなかったら、自分の位置から台を確保できる確率を考えます。
その時の思考回路は、まさに難しい数学の問題を解いている時のように研ぎ澄まされています。
日によっては何も考えない時もあります。
しかし何も考えていないわけではありません。
戦場において詮索など所詮無意味、その時々の状況において自分の考え得る最大限の行動をとるだけだ。
このように考えているからこそ、あえて何も考えないのです。
開店1分前、店員がドアに手をかざしはじめます。
店によってはドアを開けてくれることもあります。
この時、あなたの気持ちは獲物を狙うスナイパーの気持ちとシンクロします。
台を確保するために道具を持っている場合は、手に汗がにじみ出てきます。
開店、このときあなたの中で時間が一瞬止まります。
まるで幼いときのかけっこのスタートのごとくあなたはかけだします。
人をよけ、目的の台までの最短距離を走る、それはまさに障害物競走に似た興奮があります。
台にモノが置けた瞬間、あなたはまず安堵します。
そして台を取れなかった者たちを見て、ある優越感を覚えます。
飛行機や艦船で戦場に行く場合、戦地に着くまでに打ち落とされたり、沈没させられたりすることがあります。
台を取れなかった者たちはまさにそれらの人たちなのです。
なので、あなたはそんな人たちに対して、同情感優越感を抱くのです。

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